専門家分析サービス

1.分析サービス提供の背景と意図

 昨今の著しいAIの進歩により、AIが人間の能力に近づきつつあるだけでなく、利用シーンによっては人間以上の能力を発揮しつつあります。人間には個性や得手不得手があり、能力が発揮しやすい役割が与えられたり、役割に応じた能力の向上を図ったりします。人間と同様の能力を持ちつつあるAIにも、人間と同様に役割に応じたAIに成長させることで、AIを更に役立てられるものと考えられます。
 これまでAIのハンドリングは、AIに精通したデジタル関連のエンジニアが担っているケースが殆どでした。これからの人間と同様の能力を持つAIと人間が共存する社会においては、社会科学のエキスパートによる各種支援が不可欠であり、人間とAIのよりよい共存社会がつくられることを期待し、専門家・エキスパートのサービスの提供を開始いたしました。


2.サービスの概要

(1)チャットボット相談を用いた社内環境情報のデータ分析
(2)顧客からの得られたデータにもとづく分析      
(3)データ分析にもとづいたサポート          

 組織を一つの生命体と考えると、その健康や成長を図るためには様々なデータを用いて判断するべきではないでしょうか。私たちはマーケテイング学や心理学の研究と教育で培った知見やスキルを用いて、AIやその他のデータをもとに、企業や組織等の健康状態の診断を行い、未来に向けての提言を行っています。AIで得られるデータを活用することで、動的に健康状態を把握することができます。タケロボが有するAI、デジタルシステム、蓄積データ、ノウハウと社会科学とのコラボレーションにより、より多くの視点から提言を行っていきます。AIでの分析の問題点があるとすれば、一般的に何がそこで行われているのか分かりづらいですが、本サービスではそのデータを分析して可視化することにより、分かりやすく本サービス利用者とコミュニケーションを図っていきます。また画一化されたコンサルテーション・サービスとは違い、各分野に精通したエキスパートが対応させて頂きます。


3.チャットボット相談を用いた社内環境情報のデータ分析

 タケロボではAIチャットボットを用いて、企業や組織等で働く従業員やスタッフに向けて各種質疑応答にとどまらずメンタルヘルスに関する相談に対応しています。私たちはAIへの質問や相談で上がってくるマス・データを分析し、働く環境にどのような問題点があるのか、またはどのような仕組みを作り上げてその問題に対応をしていけば良いか提案します。またそこで働く人のメンタルヘルスに関わるデータを蓄積し、社員の方々のメンタルヘルスや仕事への関わり方などの予測に取り組んでいきます。また、他のデータの提供が望めればさらなる提言や取り組みが行えます。お客様の方でどこから手を付けて良いか分からない場合も、私たちからどのようなデータが必要かお聞きします。私たちの目的は組織内の一人一人が能動的なエージェントとして責任とやりがいをもって仕事ができる環境を整えることです。今後さらに社会の変化が激しくなっていく状況に備え、今からデータをうまく活用し組織の寿命を一日でも長くすることに取り組むことは重要になっています。まずは社員の方々のモチベーションとメンタルヘルスに目を向けてみませんか。


4.お客様のデータにもとづく分析

 タケロボではAIを用いた案内システムを提供して、業務の効率化に貢献しています。私たちはそこで得られたマス・データを分析することによって、組織自体の効率化と将来的な変革に向けて提言を行います。また人員の配置、組織やプロジェクトの有効性、今後の組織のゴールについてなど様々な提言を行います。AIは経験による学習を行いよりスマートな対応を可能にしていきますが、そこで得られたデータを分析しない限り人間が理解できるような形で把握することはできません。私たちは人間が分からないままAIが物事だけに対応していくというブラックボックスの状態から、データをマスで扱い、またマーケティング学と心理学の理論を応用することによって、個々の社員が理解のできる形に解釈を行います。AIの利用如何に関わらず、データを提供頂ければ分析は可能です。どのような案件でも、ご相談ください。


5.データ分析に基づいたサポート

<Social Psychological アプローチ>
社会心理学はビジネスや法学、医学など様々な分野にその理論が応用され、人を理解する上で基礎の学問として理解されています。また人を包括的に捉えるので、脳科学、感情、文化など多くの知見を取り入れて個人と社会とのかかわりについて見ていきます。また同じ会社で働いていても、個人の活動の仕方が違うように、個人差について考慮しつつ理論の適用を行います。

<Marketingアプローチ>
Marketingの基本である他者を深く考えるアプローチから、組織や社員を分析してまいります。特に、社員はMarketingの視点からは、「組織内の顧客」と考えております。Marketingでは、組織内の顧客を「インターナル・カスタマー」といいます。一般的なカスタマーは組織外に存在しますが、組織としてインターナル・カスタマーは、組織外の顧客を満足させるためにとても重要なパートナーです。そのインターナル・カスタマーを深く考えることからスタートいたします。


6.活用例

・離職率を低下させるためのAI用QA作成のサポート、アドバイス
・売上向上に繋がる顧客案内AI作成のサポート、アドバイス
・AIデータの分析による従業員満足や顧客満足のための施策提案
・AIデータの分析による、隠れた課題の抽出
その他、ご要望に応じ、調整のうえ、サービス提供いたします。


7.専門家

遠藤 誠二 Seiji ENDO
東海大学 経営学部 教授(ヴァージニア工科大学Ph.D.)。慶應義塾大学大学院商学研究科修士課程修了。アメリカ合衆国 コーネル大学修士課程修了。同国 ヴァージニア工科大学 博士課程修了。同国ミシシッピー大学 ビジネス・アドミニストレーションのファカルティーを経て現職。専門分野は、サービス・マーケティング、パーソナライゼーション。著書に、『すべての職種のためのサービス・マーケティング:: 共鳴を生む「無形の価値」のつくり方入門』(白桃社)。
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野口 謙二 Kenji NOGUCHI
サザンミシシッピ大学心理学部准教授。ミシシッピ大学よりPh.D.取得。フロリダ大学にてポストドクトラルリサーチフェローを経て、サザンミシシッピ大学所属。2008年、Asian Association of Social PsychologyよりMisumi Awardを受賞。専門分野は社会心理学で、比較文化研究による個と社会の関係性や人生の意味やウェル―ビーイングなど心の健康についての研究を主に行っている。著書に、『人生の意味の「意味」』(新曜社)。また心理学のPsychological ScienceやPsychological Bulletinなどのトップジャーナルに数多くの研究論文を発表している。
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増田 勝也 Katsuya MASUDA
タケロボ株式会社 開発部 マネージャー。東京大学より 博士 (情報理工学) 取得。東京大学 特任助教、国立国会図書館 委嘱研究員、京都大学 研究員等を経て現職。専門分野は人工知能、自然言語処理、テキストマイニング、図書館情報学。現在は主にチャットボットや文書検索システム等の開発に従事している。
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